市場めし・港めし: 2014年9月アーカイブ

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競り場に並んだお魚を、『海鮮処 群青』の方が抜き取り、すぐに水洗い。下ごしらえをして店舗まで持ち込む。それがあっという間に出てくる。その醍醐味がうれしい「刺身定食」(1000円)である。

この日の魚は甲楽城(かぶらぎ)漁港ハマチ(ブリの若魚。もちろん天然)、糠漁港のサワラ、越前漁港のスズキ、鷹巣漁港のマイカ(ケンサキイカ)。これまさしく競り場に並んでいた魚ばかりで、旅人の心躍らせるに十二分の内容である。そこにバレン(バショウカジキ)のフライ、小イカの煮つけ、小鉢にみそ汁がズラリなのである。

この刺身の新鮮さ、うまさは名状しがたい。フライがついているのに、デブの本能でやたらにうれしくなる

まごうことなき、市場飯のサミットである。

 

福井市中央卸売市場

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 築地通いも長いが、バブル崩壊後くらいからだろうか、増えているものに海鮮丼というのがある。門跡通りなどに並んでいる看板を見ていると、ほとんどが冷凍物を解凍したもの。これは日本全国の共通事項。海鮮丼ほどいかがわしいものはないなんて思っている。

 それが、福井県中央卸売市場関連棟『海鮮処 群青』にもあった。市場の方がすすめるくらいだから、けっしていかがわしいものではないと思うが、やはり海鮮丼は恐い。黒板には「本日のお刺身4種と、マグロ、ウニ、イクラ」とある。マグロ、ウニ、イクラは陸送もの、もしくは冷凍ものだろうが、地魚4種は魅力的だ。


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 お願いして出てきた海鮮丼(1300円)が華美でないのに一安心。ここにカナダのスポットエビなんかが入っていたら、たまらない。海鮮丼は素朴、飾り気がなくていいのだ、と思う。

 まずはご飯を掘り出して食べてみる。あれあれ、なんと白飯である。生ものを白飯と合わせるのは非常に難しい。魚が新しいので大丈夫だろう、とは思うものの、「白飯かー」と箸が伸びない。これを見ていた市場の方が、皿にしょうゆを満たしてくれた。このしょうゆをなめて白飯であることに大いに納得する。

 このしょうゆが福井県の海辺の町で作られている甘口なのだ。兵庫県家島の「富士大」など海辺の町で好まれているしょうゆは甘口が多い。この甘口のしょうゆが海鮮丼に合うのである。

 マイカ(ケンサキイカ)、スズキ、サワラ、ハマチがシコシコして実に新鮮、実にうまい。これを甘いしょうゆが白飯になじませて一体感を感じる。

 みそ汁には魚のあらが入ってうま味たっぷり。小鉢ものも丁寧に作られている。紅白なますを、「長寿なます」というらしいが、これも口直しにいい。

 さて、『群青』での食事はまだまだ続くのだが、本日はここまでにて。

 

福井市中央卸売市場

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 福井市大和田にある福井市中央卸売市場の敷地は広大。左右に青果と水産のある卸売場棟があり、それと平行に関連棟がある。この関連棟には5店舗の食堂があり、福井中央魚市さんなどの大卸の系列会社が運営する食堂『海鮮処 群青』がある。


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 食堂は、それぞれの味をきそっているようで、市場めしは盛りだくさんで楽しい。その食堂のなかでいちばん新しいのが『海鮮処 群青』だろう。

 店は新しく、テーブルやカウンターもピカピカである。店の方もとても親切丁寧。全体に清潔感があるのは市場らしからぬところだが、一般客にも大いに人気を博しそう。


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 さて、料理については追々、書いていくが、基本は水産棟に並んだ地物を、厳選して、すぐに下ろして、すぐに提供するという「市場めし」の理想型である。まあ、その新鮮であること、丹念な仕事ぶりなど特筆すべきこと多々だ。

 現在(2014年9月13日時点)の営業開始は9時半からだが、もっと早める予定だとのこと。


福井市中央卸売市場

http://www.fukui-market.jp/fmarket/index2.html

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