2010年7月アーカイブ

新潟市内から南下、午前4時半過ぎに新潟中央卸売市場に到着する。

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田園地帯に突如立つ無機質な建物があって、「市場らしくないな」と感じて一度通り過ぎてしまう。
場内は清潔無比。
明るく、床には台があって、ここに荷が並んでいる。
80万都市の割りにこぢんまり小さい。
3年前にたったという建物は廊下などを歩いていると、まるで病院にいるような錯覚に陥る。

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新潟冷蔵の赤井田さんに帽子を貸していただき、競り場を歩く。
まず最初に目に飛び込んで来たのがカツオである。
宮城県、千葉県から1尾入りを始め大量の荷が来ている。

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本来カツオのとれない新潟なので、ほとんど陸送ものだというのは当然だが、それにしても多い。
そして神奈川県横須賀市長井からマサバ。
宮城県石巻からゴマサバ。
ともに半端な量ではない。
ここで気づいたのだが、仲買にトラックが到着して荷を下ろしている。
これは明らかに万代島の新潟漁業協同組合からの、地物や新潟県になくてはならないニシバイやバイ、ナンバンエビ(甘エビ ホッコクアカエビ)だ。
新潟中央卸売市場の仲買は万代島で地物を買い、中央市場で主に陸送ものを仕入れるようだ。
新潟県人のツブ好きを反映して北海道からクリイロエゾボラ、アツエゾボラなどが来ている。
ロシア産のズワイも山積み状態である。
またここにも青森県尻屋崎や北海道などから新サンマが来ている。
活け締めのマアナゴもたっぷり。
これも新潟近海ではほとんどとれないもの。
主に陸送ものを扱う市場であること、東北各県と北海道の荷が抜群に多いのも特徴だろう。

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さて、仲買の方も見て回ったが、それほど強く新潟を感じさせるものはなかった。
そして市場飯も平凡。
車に戻り、2時間ほど仮眠。
こんどは本町市場を目差す。

新潟中央卸売市場

11日夜10時45分に自宅を出る。
野猿街道を北野に出て北上、八王子インターから高速へ。
新潟中央ICを午前3時過ぎに出る。
雨は時に強く降り、小降りになる。
風が強い。
万代島の新潟漁業協同組合には3時半に到着。
当たりはまだ暗い。
ゆっくりゆっくり走ってきたのに5時間かからなかった。
場内に入ると、がらんとした大きな空間の下にたくさん発砲が並ぶ。

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平凡な魚ばかりだが、総て撮影。
頭の中に新潟の魚貝類地図を作っていく。
土地土地でとれる魚を総体的に見ていく、それをなんとなく地図化していくのが非常に重要なことなのだ。
ちなみに頭の中で系統樹を作って見ていくと便利だ。

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ミズダコ、バイ、サザエ、阿賀野川産シジミ(ヤマトシジミ)。
新潟でこれほどまとまってシジミがとれるのも知らなかったのだ。
当然新潟名物のイワガキがある。
イワガキを昔から食べている地域はそんなに多くない。
新潟は秋田県象潟、山形県、鳥取県などとともに、日本海でイワガキを食べる習慣を古くから持っていた地域。
大振りのマアジ、ツクシトビウオ、ハチメ(ウスメバル)、見事なアマダイ(アカアマダイ)、スズキ、シロギス、クロウシノシタ、アカシタビラメ、ノドクロ(アカムツ)、ヒラメ、サワラ、ウマヅラハギ、ホウボウ、カナガシラ、シログチ、チダイ、キダイ、マダイ。

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ドジョウが活け、割きともにたっぷり。
甲殻類はクルマエビ、ガザミ。
佐渡からブリ、コチ、イネゴチ、ヤマブシ(ババガレイ)、大量のオコゼ(オニオコゼ)、ホッケ、大量のイシダイ(大小)、コクチイシナギ、ウミタナゴ、アラ、ソウハチガレイ、ヤナギムシガレイ、アカガレイ、クロソイ、キツネメバル、キジハタ、クロダイ、
同じくケンサキイカ、スルメイカ。
モズク(たぶんイシモズク)の生と塩蔵、ウミゾーメン。
陸送では焼津からマサバ。
青森県、山形県、秋田県などからオオバイ(大ばい オオエッチュウバイ)、中バイ(ツバイ)。
ナンバンエビ(甘エビ ホッコクアカエビ)は青森県から。
珍魚、珍貝、珍動物は見られないが、どれも見事としかいいようがない。
新潟県の人は「うまい地魚を食べてるな−」と思う。
今回の発見は地味だけどイネゴチ。

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大発見はドジョウ。
活け、割きともにたっぷり。
夏には柳川というのが新潟の風物詩らしい。

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新潟の海は暖かいのである。
そして大量に水揚げされていたオニオコゼ。
青森県、山形県、秋田県などからニシバイ(チヂミエゾボラ)、オオバイ(大ばい オオエッチュウバイ)、中バイ(ツバイ)。
ナンバンエビもやや高めだ。
なんとなく下ばかり見ている内に時間を忘れ去ってしまっていた。
場内のアナログ時計を見ると4時を回っている。
大慌てで車に戻り、万代島を後にする。
すでに夜は明けている。

新潟漁業協同組合

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