2010年6月アーカイブ

本日で旅行5日目。
眠ってもぜんぜん疲れがとれない。
肩こりが激しく、椅子に座っていると息苦しくなるほどだ。
朝方5時前に起きて、書いた原稿を見直して、書き直しをする。
メールで送り、6時半過ぎ、木津の市場へ。

ホテルからは5分くらい。
曇り空。
今にも雨が落ちてきそうだ。
木津市場は未だに工事中。
あの情緒豊かな、謎めいた市場の風情はすっかりなくなっている。
なぜわからんのだろうね。
便利にすればいいというのでは、ないのだよ。

魚屋をざっと流していく。
境港産の白バイが並んでいる。
これが今年から解禁の鳥取県産なのか、島根県隠岐産なのかが不明だ。
「どんちっちあじ」もある。
浜田沖で巻き網によってとるものなのだが、ただの網もののアジではないのだ。
いちいち脂質(脂ののり)を測っているのですよ、と思わず説明してしまう。
近海ものを置く店にミヤコボラ、シラサエビ(ヨシエビ)、トビアラ(サルエビ)。
大きな活けのイサキが泳いでいる。
そしてなんといってもハモ、ハモ、ハモ。

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そう言えばもうすぐ、半夏生だろう。
タコが少ないようだが大丈夫なんだろうか。
メイタガレイが多いのも大阪らしい。
キチジもエゾバイも1店舗のみ見る。
塩干の店で「さらしくじら」1袋2500円、明石加工のサンマの開き2尾を買う。
ハモの皮を買いたかったが、最低でも500グラムと言われて断念。

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『別虎』で「あんぺい」ありませんか? と聞くと、
「今年は作ってまへんのや」
珍しいものはないが、いいものはてんこ盛りなのが、木津の特徴だろう。
活けもので、買いたくなるものが数知れずある。
考えた末に『とらや商店』で活けのオニオコゼを買う。

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八百屋で八尾のベニタデ、青柚、ワサビ。
朝ご飯は『川上』でまむし。

ホテルには8時前に帰り着く。
ウナギを食べたのに、疲れはいっこうにとれない。
ボクの身体はいかがしたのだろう?
9時過ぎにチェックアウト。
鶴橋を断念して、御堂筋線に乗り込み、広島、島根、大阪の旅はおしまいのおしまい、なのである。
松江魚市場から大橋川沿いに歩くが、駅まで行き着く気力がない。
無意識にタクシーをとめて、県庁までで800円。
かなり貧乏なのに、困ったものだ。
午前中は水産課、ブランド推進課と会議。
県庁から見る松江城はすっかり木々の緑に覆われている。
お堀にかかる橋を渡るご婦人の日傘が白くまぶしい。
季節は進むのである。
お昼をはさんで、また会議。

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昼食は県庁そばの『西洋軒』でオムライス。
ヤマトシジミさんが選んだ店なのだけど、ボクがダイエット中だということがわかっていない。
オムレツ(セットで1000円)もうまいし、その上にかかっているデミグラスソースがまたうまい。
これじゃ、痩せられないじゃないの!

午後からは水産課だけの会議。
大田地区で漁獲している白バイ(エチュウバイ)をブランド化しようとしているのだけど、県職員のナーベラさんが「石見銀バイ」にしようと言ってきかない。
あんた古いよ!

3時過ぎに終了して市内のスーパーを巡り、水産加工品を買う。
そして慌ただしく、松江駅から大阪行きのバスに乗り込む。
山陰から関西、関東に帰るときには、この高速バスがとても便利。
だいたい伯備線は首に悪いのである。
大阪には9時過ぎに着く。
島根で会議のとき、3時を超えると、東京までは陸路では帰り着かない。
大阪では大国町にホテルをとる。
夕食は野菜ジュースのみ。
明日は木津の市場で大食いをしてやろう!
昨日はいささか飲み過ぎた。
これは総てヤマトシジミさんが悪い。
と、しておこう。
まずいホテル飯を食べて、松江魚市場に向かう。
梅雨なのに晴天。
真夏を思わせる日なのだけど、ボクは肩を冷やすといろいろ障害が出るので、長袖を着て、暑くてもひたすら我慢。
大橋川沿いにある松江魚市場は、かれこれ1年振りか。

まずは事務所に入り、場長さん、金村部長、松原さんなどに挨拶。
帽子を忘れてきたので、借りて場内を歩く。

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定置網で上がったという120キロ級のクロマグロが、市場のど真ん中にゴロンと4本。
知り合いが近寄ってきて、「境(境港)じゃ、すごい揚がっとるそうだけん」。
夏のマグロはまずいなんていうが、切り取った尾を見る限り脂がのっていそうだ。
イサキにワカナ(ブリの子)、定置もんのマアジ、大量のスズキ。
島根県人が待っている大目(ホソトビウオ)は1箱だけ。
これはちょっと心配。

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夏が来たなとケンサキイカはちゃんとある。
ボベがある。
どうもベッコウガサらしい。
島根県ではカサガイ類をよく食べる。

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たぶん中海か宍道湖産のシラウオ。

恵曇(えとも 松江市)の『
丸三商 店』さんのマアジの開き、カラフトシシャモを買うつもりでいたら、なんといただく。
あまりにも悪いのでエテガレイ(ソウハチガレイ)を一箱買い求める。
持っていったバッヂを総て配って、市場を後にする。

部屋が明るい。
テレビをつけると6時前。
ちょっとぼんやりして、シャワーを浴びる。
ブログをアップして、ホテルで朝ご飯。
8時過ぎにイッチャンが迎えに来て、浜田漁港仲買人市場へ。
ここで干ものを買い求める。
いつも魚を買っている松下鮮魚店が長期休業しているのが寂しい。
アカムツ、大きなイサキ、アカカマスにオニオコゼ、ヒラメに小目(ツクシトビウオ)。
浜田はシイラはアイゴなどの卵巣・白子を取りだして売ることがある。

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今回はイサキの真子と白子が売られている。
益田の見突き漁のハマグリは1個300グラムを優に超えている。

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まことになんど来ても、この市場の魚は素晴らしい、そして安い。

このまま江津に移動して大田農産で会議。
また浜田に戻り、昼食は市内にある「まめだ」で日替わり定食。
げその天ぷらにところてん、鶏の炊き込みご飯
これでで650円とは安い、そして大満足。

午後からは浜田水産事務所で会議。
ここで試食した「石州ばい(エチュウバイの冷凍剥き身)」の刺身がうまかった。
これは天下一品であろう。

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「本日はぼうずコンニャクを事業仕分けします」と、イッチャンにおどされる。
会議後、同席していたトーボさんなどと分かれて、特急隠岐鳥取行きで松江に向かう。
もうすぐ、玉造温泉駅。
なぜか天気晴朗。
真夏を思わせる陽気だ。
松江には午後5時過ぎに到着。

6時より、県庁そばの、もうすっかり馴染みになってしまった、おでんの「有楽」で県の方と宴会。
名物のおでんがうまい。
そして、これも名物のコロッケに、トビウオのフライのうまいこと。
久しぶりに会う方もいて、楽しい会であった。
その後、まささん、ヤマトシジミさんと合流して「宇宙科学研究所」。
少々、飲み過ぎたようだ。
ホテルに帰ってダウン。

午前8時過ぎの、山陽本線東福山駅は高校生がいっぱい。
美少女もいるし、へちゃむくれの娘もいる。
階段の陰で煙草を吸っている男子、ワイシャツのボタンを3つ外して、髪をつんつん立てている男子、参考書から眼を話そうとしない男子。
全員がケータイを手にしている。
時代は違っても、
なんだか懐かしいなー。

福山駅にもどり、トモテツバスで鞆の浦に向かう。
篠突く雨が降り、草戸千軒というバス停から見えるのは川らしきものと草むらだけ。
草戸千軒、水野勝成、阿部正弘、七卿落ち、坂本龍馬と福山は歴史を感じる町なのだ。

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鞆の浦に着いたら、ますます雨足が強くなった。
美しい港も煙る。
とにかく港をぐるりと雨の中を歩く。
石でくまれた護岸が美しい。
海辺から古い町並みへ、町並みから海辺へと出る。
この家並みの美しさは比類のないもの。
バキュームカーが路地をふさいでいる。
ここでは下水道整備が進んでいないようだ。

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途中、景観の保護よりも開発をという意味合いの看板を見つけた。
そろそろ「開発を進めて、地域力、美しい景観を破壊してしまう」という自民党と古い官僚がやってきた、きたない金まみれの地域破壊やめたほうがいいんじゃないかな、なんて思う。
鞆の浦に、この美しい港、町並みがなくなったら、なにも残らない。
たぶんだれもここには来ないだろう。
午後9時前の新宿西口。
とにかく夜と人混みが嫌いなので、人人人のなかにいて不愉快極まりなし。
14日、新宿小田急ハルク前から、深夜バスにのる。
ラジオの電池切れを知らないで、持ってきてしまって、『ラジオ深夜便』が聞けない。
深夜バスの中というのはまことに窮屈、しかも本が読めないのでいらいらするのだ。
深夜バスには『ラジオ深夜便』が不可欠なのである。
眠れないまま、15日早朝6時前に広島県福山市福山駅につく。
曇り空。

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山陽本線のホームに上ると、北側に福山城。
水野勝成が築城した城だが、当然目の前の天守は20世紀後半の鉄骨造りだ。
福山駅から岡山行きの電車で東福島駅へ。

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そこから眼と鼻の先に福山地方卸売市場があり、時間が遅くてなにもない市場を見学。
一緒に歩いてくださった市場の管理をしておられる坂本さんにはお世話になった。
そうだ、ここで書いて置きたいのだけど、福山の人はみな親切だ。
道をたずねる、案内してもらう、バスに乗り、ものを聞くに、なんとも懇切丁寧、ありがたかった。
場内に残っていたのが、アコウ(キジハタ)、イシカベリ(テンジクダイ)、ギギ(ヒイラギ)、ハギ(ウマヅラハギ)、コブト(サルエビ)、シラサエビ(ヨシエビ)など。

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マグロの取り扱いが少ないのも、特徴だろう。
福山魚市場が陸送ものも、地物もある、なかなか面白い市場であることだけはわかった。
関連棟などをぐるっと見て、市場飯が食べられる店を探す。
二軒並ぶ食堂、右か左か? 迷った末に『ますみ食堂』に入る。
カウンターに並んだものから「こちの煮つけ」、冷や奴を選び、それに具だくさんのみそ汁、ご飯。
カウンターにいなりずしが置かれていて、これはキツネの耳型だった。
すし飯に具はなく、ごまのみ。

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なんとも満足至極の朝ご飯でお値段は800円なり。

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