魚貝類を探す旅: 2009年2月アーカイブ

 翌10日は薬師神さん(薬師神かまぼこ)、福地さん、関門海さんなどと浜田漁港を見学。
 この日は一本釣りと巻き網だけの水揚げで少々寂しかった。
 マジマジ君、ヤマトシジミさん、大黒様ともども水揚げされた魚や浜田漁港の特徴を説明する。

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巻き網で水揚げされていたのがマルアジと小サバ。ともに脂がのっていてうまかった。

 その後、浜田市公設水産物仲買市場(魚商マーケット)、食品市場、スーパーなどにより、10時過ぎに水産技術センターへ。

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浜田市公設水産物仲買市場に並ぶ魚。総て水揚げされたばかり、しかも安い

 浜田市公設水産物仲買市場は来るたびに感動できる市場である。
 見事な活けオコゼを見つけてついつい買い込み、巻き網のときにいただいたマルアジ(アオアジ)、マサバとともにマジマジ君にあずける。
 ここで佐政水産の佐藤さん、大阪魚市の桝谷さん、マリンフーズの山本さんが加わる。
 お昼は水産技術センターでお弁当。
 ここにオコゼの活け造り、マサバの焼き切り、マルアジの刺身、おまんずし、角寿しなどが加わる。
 薬師神啓一さんにオニオコゼを活け造りにしてもらったのだが、見事と言うしかない。
 薬師神さんは、かまぼこ屋さんである以上に料理人であることがわかる。
 またお弁当はともかく水揚げされたばかりの魚のうまいこと。

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浜田の天ぷら、おまんずし、角寿し、オニオコゼの姿造り、マサバの焼き切り、マルアジの刺身。港に来たら水揚げされた魚を食べなくてはいけませんなー

 午後1時から『ブラッシュアップ講座 おさかななんでも座談会』で3時間あまりの司会。
 生まれて初めての経験なので非常に疲れる。
 ただ県が主催する会としては、過去にない実り多いものであったと確信する。
 たぶんコストの点からしても最上のものであったはずだ。
 このような会を続けることが、地元の水産業者、他県との業者との距離を縮める最善の策だろう。
 ただし今現在(2月13日)会の後の報告書、新しく展開できそうな事業のためのアフターケアに追われている。
 その上、「この人にも話を聞くべきだった」、「この産物にはこんな問題点があったのだな」、なんて振り返ってみるに反省点が多いのに気づく。
 たぶん一つの会で、これほどの実りがあるとは想像できなかったはずだ。
 その後、場所を移して試食会を兼ねた宴があり8時半に会は終了する。

 3時間あまりの会の進行役で、思った以上に体力を消耗。
 この日は、この時点で思考停止。
 長い長い一日が終わる。

 翌11日は午前4時過ぎに起きる。
 5時には浜田漁港。

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 昨日底引きの水揚げがなかったので、改めて福地さん、佐政水産佐藤さんなどに魚貝類の説明をしていく。
 浜田漁港競り場の半分ほどが魚で埋まっていて、福地さん、佐政水産さん、薬師神さんなど浜田初心者はその量に驚いている。
 ただし、これは「一隻の水揚げに過ぎないんだよ」と説明すると改めて沖合底引きの膨大な水揚げ量に驚きを隠せないようだ。
 その後、魚商マーケットで買い物。

 ヤマトシジミさんにJA直売所を見せてもらって、この値段の安さ、冬なのにも関わらず商品の多さに、ちょっと興奮する。
 これはボクの勝手な意見なのだけど、魚貝類の知識だけあってもなんの役にも立たない。
 食総ての知識がないとだめなのだ。
 ボクは野菜を見るたびに興奮し、食用卵の種類、みそしょうゆに心乱される。
 午前9時半過ぎに浜田を後にする。

薬師神かまぼこ
http://www.yakushijin.jp/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/

 翌12日は4時前に目覚める。
 慌ただしく着替えして、ホテルの裏を通り、海のにおいがしてきたな、と思ったとき正面に市場らしい建物が見えてきた。
 明るい闇の中に明らかに人の蠢く様子が見て取れる。
 これが『周南市地方卸売市場水産物市場』である。
 この市場が面白かった。

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 地魚の豊富さはもちろん北浦(仙崎、萩)、岩国、下関、福岡などの荷があり、塩干などの場所ではクジラの加工品もあった。
 午前7時まで見学して、いちどホテルに戻り、8時過ぎまで休む。

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 帰り道フェリー乗り場そばに映画に使われたという「人間魚雷 回天」の実物大模型を見る。
 なぜここにあるのか不明だが、まことに忌まわしいこの国の軍国主義的な象徴であって。
 よりたくさんの方に見てもらい、戦争という恥ずべき歴史を知って欲しいものだ。

 午前8時半過ぎの山陽本線は混んでいると言うほどでもないが、シートの半分以上は埋まっている。
 通勤時間としては遅い時間だから、山陽本線は明らかにローカル線ではない。
 柳井で降りて、街をひとめぐり。
 国木田独歩旧宅のみが面白かった。
 その後、広島に向かい。
 広島着が1時過ぎ。
 とにかく一度乗ってみたかった市電に飛び乗り、慌ただしく広島風お好み焼きを食べて、また慌ただしく駅まで戻る。
 駅に到着する間際、市電が急カーブするときに市場らしい建物を発見する。
 これが「愛友市場(駅前市場)」であった。
 ここが素晴らしい市場であって、魚は新鮮だし安いし、言うことなし。

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 八丁堀、えびす町など広島の繁華街で潰した時間の何と無駄であったことかと悔やむ。
 駅前市場で刺身をたっぷり買い込み。
 午後3時過ぎの、のぞみで帰路につく。
 帰宅は午後9時過ぎ。
 ここに旅は終わる。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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 朝9時35分に津和野に向けて発ったというのに、なかなかたどり着けない。
 山陰本線から山口線に、益田で40分以上待ち合わせがある。
 益田市内で地酒を買い、山口線に乗り換える。
 1時間に1本平均、単線ディーゼルカー、しかも1両という極め付きのローカル線だ。
 津和野には正午前に着いた。
 1970年代には「ディスカバージャパン」もしくは「アンノン族」などで観光客が膨大に押し寄せた津和野。
 島根県にあるのではなく、多くの人に山口県だと思われている津和野。
 駅前はいたって平凡。
 約5分ほど歩くと白壁の古い街並みに行き当たる。
 津和野と言ったら古い街並みにコイ、森鴎外、西周なんだろうね。
 その通りの中ほどにある竹風軒に山田仁通さんを尋ねる。
 山田さんが「包友会」の島田博さんを呼んでいただき、浜田で揚がるサバの話、高津川でのアユカケの養殖、それを使った料理の話などをする。
 これはあくまでも県アドバイザーの仕事の延長線上にあること。
 この話が長くなりすぎた、2時45分の汽車の時間を過ぎてしまって、なんと次は4時50分までないのだ。
 ボクは観光地が苦手だ。
 古い協会、武家屋敷、ちっとも面白くない。
 このような古めかしいだけで生きていない街並みが苦手なのだ。

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 致し方なく散髪などをして時間をつぶす。
 この理髪店、ていねいな仕事だし、店は清潔でなかなかよかった。
 そろそろ5時という時間に山口行きの汽車にのり、乗り替えて新山口に至ったところがすでに7時を回っている。
 8時前に徳山に着いた。
 すなわち津和野に立ち寄る限り選択の余地はまったくなく、山口か徳山あたりで泊まるしかないわけだ。
 ホテルサンルートの部屋に入ったら、もう体力的には限界となっていた。
 ベッドに倒れ込んで11日は終わりとなる。

竹風軒
http://fish.miracle.ne.jp/tikufu/tikufu/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/

 島根県浜田市で県産品『ブラッシュアップ講座 おさかななんでも座談会』というものがあって、山陰島根に向かう。
 8日の夜、立川22時45分発の深夜バスは早朝6時ちょうどに神戸三宮に到着。
 三宮・花時計駅から地下鉄に乗る。
 中央市場前までは10分足らず。
 地上に上がったら市場だった。

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アナゴ(マアナゴ)を備長炭で焼いていた

 地元の奥田商店さんに案内いただき、その後市場飯を楽しむ。
 神戸から垂水に。
 ここには垂水廉売市場という有名な市場があるのだけど、見る影もない。
 姫路まで神戸線、新幹線で岡山へ。
 岡山から松江に行き、ヤマトシジミさん、大国様に迎えられて島根着。
 出雲市で薬師神さんに会い、大田市に向かう。
 和江漁港で水揚げを見学。

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 今回の招待企業である関門海(ヘンリーブロス)さん、福地さん、薬師神さんに水揚げされる魚の解説をする。
 午後9時に浜田着。
 軽い会食、重い会食をする。
 9日のハードな一日はここに終わる。

奥田商店
http://www.takoichi.net/
薬師神かまぼこ
http://www.yakushijin.jp/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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