築地歩きは疲れる。
我が家を朝4時から6時過ぎに出て、帰宅するのがだいたい午後3時となる。
なぜこうなるのかというと、最近の築地行が仕事がらみだからだ。
今回など場内荷受け(大卸、都などがはいる)棟を3往復してしまった。
なんだ「たかが」建物の中を歩いただけじゃないか、なんて思われるだろう。
それが「たかが」なんてもんじゃないのである。
例えば丸いバウムクーヘンを四分の一に切る。
この四分の一バウムクーヘンが場内水産棟の形そっくりなのだ。
当然、バウムクーヘンの中側の辺(通路)は短く、外側に行くほど長い。
一番内側の通路でも長さ100メートルくらいあるんじゃないだろうか?
外側だとゆうにその二倍はありそうだ。
そして場内の建物と同心円の外側、通路を隔てて弓形に細長くあるのが荷受け棟だ。
この棟は水産棟のいちばん外側の長さを越していてやっちゃ場にとどいている。
ボクの目測では300メートルくらいなんじゃないだろうか?
しかもまっすぐではない。
曲がり角あり、階段ありで、時に行き止まりもある。
疲れ果てて、行き倒れそうになると飛び込んでいるのが魚河岸横丁の『センリ軒』である。
その昔、マグロの競りに通っていたことがあり、ときどき一休みしていたのだ。
以来10年以上入っていない。
そんなとき、つきじろうさんがカツサンドをおやつに買うのを見て、改めてこの店の存在を思い出す。
ちなみに、つきじろうさんのおやつであるカツサンドだって、最近の小食娘なら持てあましそうな代物。
『センリ軒』で疲れをとるために食べるのが「ジャムバタートースト」だ。
これを発見したのは昨年の暮れである。
「コーヒーとトーストください」とオバサンに声をかけたら、「ジャムいりません」と言われたのだ。
『センリ軒』の表舞台(店の入り口近く)にいるオバサンがまことに優れた人で、お冷やを出す、お茶を出す(これはサービス)のタイミングがいい。
また何によらずそつがない。
『センリ軒』に来る常連客の注文がまことに難しい。
「軽くトーストしてバターなし」とか「よく焼いて」とか、コーヒーだって角砂糖二個、三個、なし。
だまって何も言わない人がいて、それは単に角砂糖抜きのコーヒーだったりする。
ボクの場合は単に「コーヒーにバタートースト」だけだったのが、ジャムを上乗せしただけだけど、ちょっと常連さんになった気分となる。
ちなみに小腹が空いていたらゆで卵を追加している。
このたっぷりジャム、たっぷりバターのトーストがうまい。
ウチで作れるだろうそんなもの、と言うなかれ。
席に座る、すぐにコーヒーが来る。
二三回コーヒーをすする頃に、ちゃんとトーストがやってくるのだ。
間の大切さを痛感する瞬間とも言えよう。
面白いのは『センリ軒』でトーストを食べると腹が空くのだ。
つきじろうさんのように隣近所で大食いをやった後にカツサンドは無理だけど、『センリ軒』の後、なぜかラーメンなんかが食べたくなる。
そう言えば土曜日、尻高鰤さんが、「みそラーメン食べない」とさそってくれたっけ。
「食べときゃよかったなー」
詳しくは「春は築地で朝ごはん」
http://tsukijigo.cocolog-nifty.com/blog/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
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八王子総合卸売センター『さくら』の市場人のための特別定食
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