世の中なにが楽しいかというと知らない街で、知らない市場(商店街)に飛び込むほど楽しいことはない。
市場にも種類があって、流通の一翼を担うのが中央卸売市場だし地方卸売市場だったり。
たいするに町中に小さな店舗が肩寄せ合って、商店街なのか市場なのかわからないのもある。
大阪にはこんな市場が多いという。
地下鉄長堀緑地線蒲生四丁目駅からすぐのところ。
大通りから一歩路地を入ると賑やかな商店街となる。
そこに城東市場がある。
市場の回りには商店街が格子状にあり、そんな商店街の一角でオバチャンがたったひとりで天ぷらを揚げているのを見つけた。
その店先にある天ぷらがうまそう。
「いわしの天ぷらください。ここで食べますから」
思わず店先でお願いする。
「はいはい、どうぞ」
薄いビニール袋に入れてくれた、50円玉一個で買った天ぷらを店の前でかぶりつく。
見た目うまそうでも、食べたらまずいというのが多々あるなか、このオバチャンのは食べたら思った以上にうまかった。
さてボクの後ろにいるのが大阪市場探検隊のメンバー、まささんと、おふるさん。
まささんが「ボクにもひとつ」、といってボクに続く。
おふるさんが何ししようか迷っていたら
「一個食べてみて」
なんとオバチャンが「こうてくれんでもええから食べてみて」なんていうのだ。
それでおふるさんが「うずらの玉子」、ボクとまささんが紅ショウガの天ぷらをいただく。
「うち小さい(店)やろ、オバアチャンなひとりでやってるしな。儲けようなんて思うてないの。食べてな」
オバチャンの笑顔が優しい。
「あのな、よしもと新喜劇てあるでしょ。そこに出てる若い娘(こ)で●●ちゃんな、知ってる。オバチャンの天ぷらがおいしいていつもいうてくれるん」
『よしもと』の●●ちゃんという女優さんは知りまへんが『槇』の天ぷらがどえらいうまいし、どえらい安さなのにビックリ。
からっと揚がっていて、油臭みがまったくない。
「これならなんぼでもいけまっせー」という名品揃いだ。
ほとんどのネタが50円、いちばん高い丸あげ(エビを一本まるまる揚げていると言う意味か?)で100円しかしない。
「オバチャンありがとう、また来るからね」
本当に、もう一度オバチャンに会うためだけでも大阪に来たいと思ったのだ。
槇 大阪府城東区今福西1の10の1 城東市場裏
甘草荘
http://blogs.yahoo.co.jp/thecacera_pacifica/MYBLOG/yblog.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
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