市場の分類学というのがあって、中央市場、地方市場、公設市場、私設市場、またただの商店街なのだけど、明らかに市場というものもある。
そして『浜田食品市場』はたぶん公設市場にあたるのだろう。
例えば中央市場を例にすると、競りが行われて、仲卸が買い取る。
野菜でも、魚貝類でも、食肉でも同じだろう。
もちろん仲卸にスーパーなども含まれる。
中央市場には仲卸の店舗もあるのだけど、ここに飲食店や小さな小売店などが仕入れに来る。
魚貝類、野菜、食肉など以外の惣菜などもあるにはあるけど、調理道具や様々雑多なものを売る棟が別に存在して、これを関連棟なんていう。
中央市場も地方市場もない地域はどうするのか、多くはこのような公設市場が関連棟と仲卸店舗を兼ねる。
全国屈指の水産物の水揚げ港である浜田市には、当然、浜に競り場があり、水揚げしたそのままが市内に行き渡る。
だから水産物に関する限り、中央市場も地方市場も必要ないのだ。
そこで『浜田食品市場』のような関連棟(公設市場)があるのだろう。
この『浜田食品市場』が楽しい。
中に入ると長々と細長い通路があり、両脇が卸売りの店舗となっている。
どの店も小売りにも応じてくれて、みな優しいのである。
名物「ニコニコあんぱん」を売る店。
醤油、油、みそなどの店。
八百屋にコンニャク豆腐、練り製品。
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浜田の練り製品のよいところは「田舎っぽい」ところだ。素朴で美味
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「酢いか」は伝統的な加工品だけど、もっとも現代の家庭状況にあった食品でもある
干物の多彩であること。
ぜひ浜田の「えてがれい(ソウハチガレイ)」の干物をここで買って頂きたい。
惣菜的なものを売る店には浜田名物「おまんずし」、「角ずし」、海苔巻きだってあるのだ。
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おいしいか? おいしくないか? は二の次。このような伝統的な惣菜を大切にしたい
また塩干乾物などの店にはクジラの皮や晒しクジラが並んでいる。
「節分にはクジラの皮で炊き込みご飯を作るんです」
と教えてくれたのもここ。
練り製品ではこれまた浜田名物「赤てん」、竹輪も丸天もある。
ちなみに島根県では薩摩揚げのことは「天ぷら」である。
考えてみると「薩摩揚げ」の方が地域的には少数派なのだ。
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のどくろ(アカムツ)は浜田を代表する魚だ
魚屋が優秀なのも特筆すべきだ。
置いてあるのはほとんどが地物だし、値段も安い。
浜田の食文化を知りたいなら、このような公設市場を尋ねるのがいちばん手っ取り早い。
このような楽しい市場では「食を勉強するのではない」、「冒険・探検」するのだ。
『浜田食品市場』の歴史などは、まだまだこれから調べていくつもりだ。
浜田食品市場 島根県浜田市黒川町146
●本ページは改訂をしていく
食の満足度 ★★★ 残念店舗数が少ない
気軽さ ★★★★ 親切で楽しい
市場飯 ☆ 持ち帰る惣菜しかない
食の満足度/食に関する発見、うまい食材が手に入る度合い。
気軽さ/一般人が入って買い物が出来るかできないか。
市場飯/うまい飯が食えるかどうか?
【満点は5つ★】
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/